現代畸聞録怪異百物語

作者:猿田悠|マイクロマガジン社
最近、怪談本に凝っているが、これは面白い部類に入る。
どこかで聞いたり、読んだことのある印象の話が少なかったからだ。
面白いのは「冷蔵庫」「6本の手」「オービス」「廃墟ビル」「看板」
「窓の顔」「カラオケボックス」「離婚」
存在しないはずのものが後に残される不思議や、
会話文で怖がらせるという怪談のツボを心得ている点では上手いと思った。
ただ、悪霊や祟りが存在するものとして書かれているのは少し興ざめ。
怖い話は面白いから好きだけど、そういうものは存在しないからなあ。