真夜中の金魚

作者:福澤徹三集英社
最近お気に入りの怪談作家が描く九州の田舎町を舞台にした青春小説。
ギャンブルを生業とする大学生、北朝鮮の麻薬の運び屋になった先輩、
客と組んで不正を働くパチンコ屋の店長、ヤクザまがいの経営者に、
在日朝鮮人と本物のヤクザ、生活保護を受けながら昼間から酒を飲む住人。
ろくでもない人間ばかり登場するが、人物描写は上手い。
主人公のバーテンは同じ店で働くホステスと同棲しているが、
楽しめない日々を送っている。そんな中彼女に手を出してくるヤクザが登場。
最初はヤクザにびびってしまうが、最後は殺そうと決意する。
怪談話は一切無いが、一気に読める面白さだった。
ただ、他の怪談話とのシチュエーションの使い回しは少し気になった。

真夜中の金魚

真夜中の金魚