土方歳三(上・下)

作者:富樫倫太郎|角川書店
単行本オビ
幕末の激動を駆け抜けた男の生き様を描いた歴史大作、成長編!
日野の豪農の家に生まれながら、生来の負けん気の強さから周囲の手を焼かせていた土方歳三
ある日たまたま喧嘩の助太刀に入ったことで、勝五郎という少年と知り合う。
これがのちの近藤勇との出会いであった。
勇と話すうち、歳三はある決意を抱く―「強くなりたい。強くなって、必ず武士になってやる」。
勇や沖田総司ら試衛館の仲間とともに過ごし、剣の腕を磨く毎日を送っていたが、京の治安を守る浪士組の結成を持ちかけられたことで歳三の運命は大きく動き出していく。
働きを認められ「新選組」となった浪士組は、尊王攘夷派による大峰起計画の手がかりをつかみ、旅篭・池田屋に踏み込むが―!?
歳三の少年時代から新選組の「鬼の副長」になるまでの成長の日々を、いきいきと色鮮やかに描き出した上巻。


幕末の激動を駆け抜けた男の生き様を描いた歴史大作、死闘編!
池田屋事件によって一躍その名を馳せた新選組
土方歳三は副長として恐るべき統率力を発揮するが、組織のあり方をめぐって内部対立が生じはじめていた。
いっぽう、倒幕派の勢いはますます激しさを増し、鳥羽・伏見の戦い幕府軍が新政府軍に敗北を喫したことをきっかけに情勢はさらに傾いていく。
かつての仲間との別れが次々と訪れるなか、ときに傷つき涙しながらもただひたすらに戦い続ける歳三。
新政府軍に追われ、蝦夷地へと至った歳三は「常勝将軍」と言われるほどの活躍を見せる。
だが、戦況は悪化の一途をたどり、ついに新政府軍による総攻撃の日を迎える。
熱い思いを胸に、前だけを向いて生きた男が最期に見た景色とは―!
新選組副長時代から箱館戦争での壮絶な最期まで、土方歳三の真の姿に魂震える下巻。



土方歳三の生涯を描いた大作で、読みごたえがあった。
鬼の副長と恐れられた土方が、仲間を想い、涙をするシーンは印象的。
近藤や沖田は比較的丁寧に描写されているが、その他の隊員は少し雑。
新撰組を美化する人たちには不満のある作品だと思う。
だが、自分にはこのくらい乾いて、虚無的な方が合っている。


土方歳三 (上)

土方歳三 (上)