1970年の火刑

作者:海野謙四郎|宝島社文庫
文庫本裏書
「私、女の子を産んだの、華って名づけた」。
1970年の早春、仲間たちにそう告げた女子大生は、その直後、夜のゲレンデで炎に包まれて死んだ。
20年後、それぞれの人生を歩む仲間たちの前に、美しく成長した華が現れる。
やがて起こる二つの殺人。
さらに歳月が流れて2014年、一連の事件の謎が解かれ明らかになった驚愕の真相とは。
恋と友情、そして人生の不条理を描く哀切な青春回顧ミステリー。


70年代に青春を過ごし、バブル期に社会人として成功をおさめた登場人物たち。
ゲレンデで焼死した女子大生の犯人は見つからないが、真相に近づこうとした者が殺されていく。
ミステリとしても面白いが、過去の青春の描かれ方が生き生きとしていてテンポがいい。


1970年の火刑 (宝島社文庫)

1970年の火刑 (宝島社文庫)