死都日本

作者:石黒耀講談社文庫
九州南部で破局的噴火が発生するパニック小説。
有史以前に九州の人がほとんど死亡し、縄文時代が終了したのと同じレベルの噴火が発生。
九州の南部の都市に、巨大な火砕流が襲う。一瞬にして都市が消滅する。
工学部の教授の黒木と、新聞記者の岩切は、噴火した火山のそばにいた。
二人がサバイバルのルートを辿る話がメインのストーリー。
圧倒的な破壊力の前に、日本政府は一か八かの手を採る。



10年以上前に発表された作品で、以前から読みたいと思っていた。
東日本大震災は、地震に伴う津波と、原発事故で大きな被害を受けた。
でも、火山の噴火の方がはるかに大きな被害を発生させることがわかる。
火山の歴史とメカニズムを丁寧に解説しつつ、黒木と岩切の脱出行は緊迫感十分。
文庫本で600ページを超えるが、結末はちょっと安易だ。
人類の危機に瀕する大災害だから、もう少し長くてもよかった。
でも、まあ、期待を裏切らない面白い作品だった。


死都日本 (講談社文庫)

死都日本 (講談社文庫)