約束の森

作者:沢木冬吾|角川文庫
文庫本裏書
警視庁公安部の刑事だった奥野侑也は、殺人事件で妻を亡くし退職を決めた。
孤独に暮らしていた侑也に、かつての上司を通じて潜入捜査の依頼が入る。
北の果てに建つモウテルの管理人を務め、見知らぬ人物と暮らしながら疑似家族を演じろという。
侑也が現地に赴くと、そこにいたのは若い男女と傷ついた1匹の番犬だった。
やがて闇に隠れた謎の組織の存在と警察当局の狙いが明らかになり、侑也は眠っていた牙を再び甦らせる。


人生に絶望した中年男と、人から虐待を受けたドーベルマン
侑也はボロボロの犬のマクナイトを救いだし、人間不信になった犬を再調教する。
侑也とマクナイトが絆を作っていくシーンに多くページが割かれるが、これが良い。
ストーリーも訳ありのふみと隼人の壮絶な過去が徐々に明かされ、飽きさせない。
こういう作品を酒を飲みながら時間を過ごすと、贅沢でいい気分になる。


約束の森 (角川文庫)

約束の森 (角川文庫)