55歳からのハローライフ

作者:村上龍幻冬舎文庫
文庫本裏書
晴れて夫と離婚したものの、経済的困難から結婚相談所で男たちに出会う中米志津子。
早期退職に応じてキャンピングカーで妻と旅する計画を拒絶される富裕太朗。
みんな溜め息をつきながら生きている。
ささやかだけれども、もう一度人生をやり直したい人々の背中に寄り添う「再出発」の物語。


あとがきにもあるが、タイトルは「ハローワーク」だと思って読んでいた。
直近で「13歳のハローワーク」という作品もあったからだろう。
5つの作品が収録されているが、それぞれ面白い。
「空飛ぶ夢をもう一度」は過去にかすかに交差した付き合いの男に、死に目まで付き合う話。
自身もリストラにあって苦しい生活だが、こういう話はいい。
ただ、この年齢になって蓄えがないと悲惨だと、身につまされる。