硝子の葦

作者:桜木紫乃新潮文庫
北海道の釧路でラブホテルを経営する幸田喜一郎は交通事故で意識不明の重体となった。
歳の離れた妻・節子は看病をするが、周囲に不穏な事態が発生する。
喜一郎と結婚する前から愛人関係にあった会計士の澤木と、喜一郎の前妻との間に生まれた娘を探す。
娘の梢は高校中退で、大麻を吸ってぐれていた。
助けるつもりはなかったが、節子の短歌同好会の友人が受けているDVをそらすために利用する。
DVを受けていた友人の娘を梢に預けるが、梢は娘と失踪してしまう。


節子の出自は、寂れた道東で売春まがいの飲み屋を営む母がいて、ダークな確執があった。
短歌同好会では確執があったが、節子にしてみれば些末なものだった。
多少のことでは動じない節子は、仲間のトラブルを解決していくが、悲劇の結末を迎える。


覚悟を決めた人は強いと思うが、あっさりと死を選ぶところには違和感があった。
端っこにいる人は、逃げ場がないのかな。
ストーリーは面白いけど、あまり共感はできない。


硝子の葦 (新潮文庫)

硝子の葦 (新潮文庫)