奥会津 三泣き 因習の殺意

作者:相場英雄|小学館文庫
文庫本裏書
福島県会津地方の田子倉ダム湖畔で、大手ゼネコン鹿田建設の副社長・薗田幸四郎が他殺死体となって発見された。
大和新聞会津若松支局に出向中の宮沢賢一郎は、薗田は疲弊する地方ゼネコンの実態を見かね業界の構造改革に着手、守旧派と対立していたことを知る。
薗田の事件が解決せぬまま、さらに鹿田建設の経営企画部長・保科護が姿を消した。
保科の先祖はかつて会津を治めた名奉行という。
宮沢は、誇り高い会津人の気質と事件が関連していることに気付き調査に乗り出す。
謡曲と麺を愛する地方記者の活躍を描く新・旅情ミステリー。


地方のゼネコンの排他的な糞っぷりで、保科の正義感が際立ち、宮沢の取材で盛り上がっていく。
警察側の田名部は190センチを超える長身の管理官だが、狂言回しに過ぎない。
東北の人の気質、登場人物の配置はかなりデフォルメが効いているが、面白い。
意味の分からないタイトルが損をしている作品。


みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥会津三泣き 因習の殺意 (小学館文庫)

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