ユリゴコロ

作者:沼田まほかる双葉文庫
末期がんの父の家に訪れた亮介は、「ユリゴコロ」という題名のノートを見つける。
そのノートには、人殺しを告白する内容が生々しく綴られていた。
書いたのは父か、すでに亡くなった母か?
亮介はペットのドッグランのできる施設を備えた喫茶店を経営している。
だが、婚約者には金を騙し取られ、経営も厳しい。
ユリゴコロ」の殺人の告白と、現在の亮介の生活が交互に描かれる。
ユリゴコロの作者は母ではないかと考えていると、母が入れ替わった記憶を思い出す。
弟に両親の過去を調べてもらうが、亮介の店にも問題が発生する。


身内に殺人犯がいるのではという不安と、現在の問題をうまくからめてストーリーは進む。
構成は巧みで、伏線からのどんでん返しも面白かった。


ユリゴコロ (双葉文庫)

ユリゴコロ (双葉文庫)