殺気！

作者：雫井脩介｜幻冬舎文庫
東京西部の町に住む女子大生のましろは、12歳のころに誘拐された経験を持っていた。
雑踏の中で起きたトラブルに敏感に反応し、成人式の狼藉も事前に察知する。
他人の殺気を事前に知ることに気付くが、中盤まで話はあまり動かない。
終盤にましろの同級生が、少女を誘拐し、ストーリーが大きく動く。

飽きさせない構成で、最後まで読んだ。
でも、これはそんなに面白いとは思わなかった。
途中で何となくそうだろうと感じたが、最後まで引っ張る構成力は巧みだ。
「火の粉」のような傑作もあるが、上手いのに残念という印象の作家だ。

殺気! (幻冬舎文庫)