黒い遭難碑

作者:安曇潤平|MF文庫
山岳に特化した怪談集。「赤いヤッケの男」の続編。
冒頭の、遭難者の顔が刻まれる「顔なし地蔵」から独特の雰囲気の話が続く。
単独で行動する山男が主題なので、恐怖感は何割か増しだ。
沢で転落死した亡霊が集まる「三途のトロ」や遭難者の霊に出会う「乾燥室」は面白い。
話の切り口は工夫しているし、山というテーマに限定しているところが潔い。
ただ、ブランクを開けたのだが、1作目のインパクトには届かないのは残念。