墓地を見下ろす家

作者:小池真理子角川ホラー文庫
墓地に囲まれた新築マンションに引っ越した一家に襲う怪異を描いたホラー。
小鳥の死から、子供の夢に出てくるペットの亡霊。
マンションの地下で感じる不気味な雰囲気。
何故か中止された墓地の地下を開発する計画。
マンションの地下と墓地の下を通る開発計画はつながっており、徐々に禍々しい事態に巻き込まれる。
主人公一家を残し、逃げ出す住民。
最後に逃げ出そうとする主人公たちは、すでにこの世のものではないものに囲まれていた。


この作品は80年代後半に書かれたモダンホラーの傑作だ。
その後、「リング」や「黒い家」などが出てきて、ホラーは盛り上がった。
自分が読んだのは、大阪にいたころで、もう一度読みたいと思い、再読。
確かに面白いが、改めて読むと、なんとなく古臭さを感じた。
それでも、読んだことのない人には十分お勧めできる内容で、古典の雰囲気すら感じる。


墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)

墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)