沈黙の町で

作者:奥田英朗朝日新聞出版
7月のはじめ、北関東の中学校で、中2男子生徒の転落遺体が見つかった。
屋上には5人の足跡が残されており、事故か、自殺か、殺人事件か?
警察が捜査に乗り出し、同級生の男子4人が拘束される。
やがて、14歳の2人が逮捕、13歳の2人が補導される。
4人の口は重く、真相はなかなか究明されない。
加害者の家族、学校関係者、事件を追う刑事、新聞記者、そして被害者家族。
様々な人間模様を織り交ぜ、少年たちの回想とともに話が核心に近づいていく。
後手後手に回る学校の対応は、情けないものがあるが、リアルだ。
また、加害者を担当する弁護士や被害者の叔父といった癖のある嫌な人物をうまく配置している。
最近は文庫化が早くなっているが、単行本で読みたいと思う作家の一人で、本作も非常に面白い。


沈黙の町で

沈黙の町で