ボーダー ヒートアイランド?

作者:垣根涼介|文春文庫
1作目で、渋谷のチーム「雅」を率いていたアキとカオルは、チーム解散後、別々の道を歩んでいた。
アキは渋沢と桃井の犯罪チームに加わり、ヤクザの金を強奪していた。
このくだりは、2作目、3作目で描かれている。
カオルは、アキと別れた後、東京大学に入学し、渋谷と縁を切った生活を送っていた。
だが、自分と同じ空気を纏った慎一郎から、「雅」を名乗るグループが、ファイトパーティを開催していることを聞く。
カオルは真偽を確かめるため、久々に渋谷に訪れる。
そこには、自分たちの名前を語った連中が、ファイトパーティーを賭けごとの対象にしていた。
雅の解散のきっかけは、アキとカオルが、渋沢達と出会い、ヤクザを殺傷したからだった。
過去をほじくり返されることを危惧したカオルは、アキに連絡をとる。
アキはパートナーの渋沢と桃井に相談し、偽「雅」を潰すことにした。


本作のミッションは、それほど難しくないが、カオルの同級生の慎一郎が絡み、複雑化している。
でも、慎一郎の存在は、この作家のデビュー作の焼き直しではないか?
面白いのだけど、ちょっと引っ掛かる。


ボーダー ヒート アイランドIV (文春文庫)

ボーダー ヒート アイランドIV (文春文庫)