横道世之介

作者:吉田修一|文春文庫
80年代に長崎の高校を卒業し、東京の大学に進学した横道世之介の1年を描いた作品。
入学ガイダンスで出会った倉持と阿久津唯とともにサンバのサークルに入る。
同郷の小沢から原宿で紹介された片瀬千春という女性に片思いする。
部屋にエアコンがあるからという理由で、同級生の加藤の家に居候になる。
サンバのサークルの先輩の石田から紹介され、ホテルの夜勤のアルバイトをする。
加藤と共に、自動車教習所に通い、そこで出会ったお嬢様の祥子から、一方的に好意を寄せられる。
夏休みには、祥子が世之介の故郷に一方的に押しかけてきて、騒動になる。
世之介の上京の1年間を描いた作品だが、大人になった倉持や加藤、千春、祥子の現在も描かれている。
そこで、世之介の消息が間接的に知ることが出来るのだが、ちょっと悲しくなる。
バブル時代の高揚感がノスタルジックに綴られる作品だが、面白かった。


横道世之介 (文春文庫)

横道世之介 (文春文庫)