再会

作者:横関大|講談社文庫
第56回江戸川乱歩賞受賞作。
小学生のころ、ある事件に遭遇し、拳銃をタイムカプセルとして埋めた4人組。
それから23年が経った。
万季子は、4人組の圭介と結婚して、子供が出来たが、離婚をして、生まれ育った土地で美容室を経営。
圭介は万季子と離婚後、東京に住み、建築士として活躍している。
淳一は拳銃を埋める事件の当事者だったが、警察官の道を歩み、刑事となった。
直人は、実家のスーパーの後継ぎとして、経営者の道を歩み始めていた。
話は万季子の息子が、直人のスーパーで万引きをしてしまうところから始まる。
万季子は過去に因縁のあった直人の兄から脅迫を受ける。
圭介に相談し、二人で直人の兄を訪れるが、射殺されているところに遭遇する。
アリバイを相談するが、殺害に使われた拳銃は4人が埋めたものだった。
捜査にあたったのは淳一だった。
カプセルには4人しか知らない鍵の番号があり、淳一は捜査の目をかいくぐり、4人でタイムカプセルを開ける。
だが、そこには拳銃はなかった。
疑心暗鬼に駆られる4人だが、直人が重要参考人として身柄を確保される。
淳一と圭介は直人は何かを隠していると思うが、万季子の行動にも不審なところがあった。
県警から調査に加わった南良刑事は、4人の過去に迫り、謎を解く探偵役になる。


ドラマ化されることが決まっており、キャストも良い。
わかりやすく、話は面白いが、ちょっと都合のいい人間関係は強引すぎると思った。
トリックも独創的ではなく、状況証拠を積み上げたもので、フェアとは言えない。
といっても、江戸川乱歩賞自体、そんなに傑作を出しているわけではないから、受賞作の中では十分に面白い。


再会 (講談社文庫)

再会 (講談社文庫)