9.11倶楽部

作者:馳星周|文春文庫
救急救命士の織田は、路上で倒れていた少女を助ける。
少女は笑加といい、不法入国の中国人の娘だった。
彼女は同じ境遇の少年たちと、大久保で共同生活を送っていた。
都知事は、新宿浄化の名目で、不法滞在の外国人を国外退去させていた。
笑加と少年たちは、東京で生きていくため、必死の生活を送っていた。
地下鉄サリン事件で、妻子を失った織田は、彼らの存在に共感を覚え、バックアップすることにした。
だが、笑加の病気は深刻で、織田は中国人マフィアから、非合法な仕事を受けるようになる。
やがて、救急救命士の仕事にも支障をきたすようになり、ついに犯罪の被疑者となってしまう。
それでも中国人の少年少女を見捨てることが出来ない、織田は、彼らの都庁爆破の計画に乗る。


この作家は全部読んだわけではないが、読んでいるうちは面白い。
でも、相変わらずテーマは虐げられた在日外国人だ。
作品の中では、実際に虐げられているから、共感は覚える。
が、虐げられる対象が毎回日本人以外というのはどうなんだろう?
ま、全部読んだわけではないけど、新宿、外国人という狭いジャンルの作家という認識。


9・11倶楽部 (文春文庫)

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