さらば雑司ヶ谷

作者:樋口毅宏新潮文庫
雑司ヶ谷という池袋の南側にある古臭い街を舞台にしたハードバイオレンス。
主人公の太郎は地元のカルト宗教の教祖の孫だが、人探しのために中国に行く。
そこで、暴力集団に拉致され、ボスに犯され、徹底的に服従させられる。
何とか日本に戻るが、太郎の友人であり、池袋を仕切るボスの京介は殺害されていた。
かつて、ボスの座を狙い、京介に両耳を引きちぎられた芳一が街を仕切っていた。
教祖の祖母から、芳一の始末を頼まれた太郎だが、中国から太郎を犯したボスもやってくる。
集中豪雨を人工的に操る学者、銀行強盗に入った息子を射殺した刑事。
雑司ヶ谷でずっと暮らす太郎の仲間と、裏切り者。
小澤健二に対するタモリの過剰な誉め言葉とか、どうでもいいサブカル的展開。


オビには『小説界のタランティーノ現る!!』とある。
内容はその通りで、ストーリーもそこそこ面白いが、何となく一過性のような雰囲気。
まあ、読んでいるうちは面白いけど、読み返すほどではないという感じかな。


さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)