島破り

作者:石月正広|幻冬舎文庫
江戸時代の市井の人々の生活を描いた4つの作品を収録。
「島破り」は些細な罪で八丈島に流された二人の武士が、苦難を乗り越え、島を脱出する話。
「寄物」は海賊の集落で暮らす美少女と純情な若者の悲恋で、残酷な結末が印象に残る。
「恋文」は津山藩の武士が四ツ谷の町民の娘に一目ぼれし、郎党を巻き込む喜劇。
「生贄」は信濃から江戸に出てきた若者二人が瓦版を作ろうとするが、江戸を守るために彰義隊に参加する話。
独特の雰囲気に満ちていて、他に類似の作品が思いつかないほどオリジナルな話だ。
これで話が面白ければ、文句なしだけど、ちょっと残念。


島破り (幻冬舎時代小説文庫)

島破り (幻冬舎時代小説文庫)