嘘と少年

作者:永瀬隼介|ポプラ文庫
タクシー運転手の良樹は、幼馴染の山崎を30数年ぶりに訪ねる。
ガキ大将で、実業家として成功した山崎は末期がんで、病床にあった。
小学校のころ、行方不明になった同級生を探すため、冒険に出かけた想い出話をする二人。
冒険にはもう一人、泰三というサンカの末裔の少年が加わり、山に入っていく。
山の入り口で中学生と決闘し、川で岩魚や山女を取って食べる。
マムシを捕獲し、洞窟を探検するが、豪雨に遭遇し、山で一夜を過ごすことになる。
大雨は鉄砲水を呼び、3人は逃げる途中で熊の親子に出会う。
山の冒険を語り合う二人の姿に郷愁を覚えるが、現実の時間の描写が何かおかしい。
結末にどんでん返しがあるのだが、良樹がエレベータで親子に出会うところから伏線がある。
だが、最後までなかなか気付かなかった。
ノスタルジックな冒険譚と、現実の残酷さの落差がいい。


([な]6-1)嘘と少年 (ポプラ文庫)

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