Judas Priest
ジューダス・プリーストは自分がヘビメタにのめり込むきっかけになったバンドだ。
リアルタイムで聴き始めたのは、「Defenders of the Faith(背徳の掟)」からだった。
1曲目の「Freewheel Burning」から4曲目の「The Sentinel」の流れは今でも完璧。
その後の曲は少々退屈だが、前半の4曲で、現在のメタルにかなりの影響を与えている。
前作の「Screaming for Vengeance」はアメリカでブレイクするきっかけになった作品。
全体的に楽曲面はこちらの方が充実しているが、劇的さでは「背徳の掟」が上だと思う。
彼らの作品を遡って聞くようになった。
ライブ盤の「Priest in the East」は一番聞いた作品かもしれない。
1曲目の「Exciter」が素晴らしい。当時、こんなに速くて、メロディアスな曲はなかったと思う。
初めてジューダス・プリーストを聞くなら、この作品がおススメだ。
デビュー2作目の「運命の翼」や3作目の「背信の門」は古典的なハードロックだが曲は良い。
4作目の「ステンドクラス」は名曲「Exciter」を含め、粒ぞろいの曲がそろっている。
彼らはこれ以降で古典的なハードロックから、ヘヴィメタルへと進化していく。
「殺人機械」「ブリティッシュ・スティール」はリフを重視したシンプルな楽曲で構成されている。
また、ファッションも、レザー&スタッドになったのがこの時期だ。
過剰なまでの劇的さから、変化をしたのだが、これらの作品が現在のヘビメタのお手本となった。
その後、「黄金のスペクトル」をリリースするが、これはアメリカを意識した作品だった。
ポップな作品で、悪くはないのだけど、彼ららしさが少し損なわれたアルバムだった。
この作品の後、「Screaming for Vengeance(復讐の叫び)」がリリースされる。
これがアメリカでヒットし、彼ら日本でもメタルゴッドとして、ヘビメタ界の重鎮となる。
その後の「Defenders of the Faith(背徳の掟)」が彼らのキャリアハイだったと思う。
次にリリースされたのは「Turbo」で、信じられないことにシンセサイズド・ギターを導入。
曲は悪くないのだが、大いに戸惑ったことを思い出す。
その次の作品「Rum It Down」は彼ら本来のメロディアスなヘビメタに戻る。
1曲目の表題作や、「Hard As Iron」は今聴いても、興奮出来る名曲だ。
この作品が彼らのターニングポイントになったと今では思う。
で次に、「Painkiller」をリリースし、 やはりJudasはメタルゴッドだと皆に思わせた。
自分はそのころ、ヘビメタに少し興味を失っていた。
今までにない激しいサウンドで、すごかったが、もういいやとも思った。
抒情的なメロディが失われた作品だったからだ。
一般的にはこの作品が彼らの最高傑作だと言われるが、同時期のメタリカの方がいい。
その後、バンドはボーカルのロブが脱退し、新しいシンガーを迎えるが、イマイチだった。
21世紀になり、ロブがバンドに戻り、久々に作品を出すが、興奮はつかの間だった。
もうメンバーは60歳を過ぎ、激しい音楽をやるのには老いてしまった。
そのことは悲しいけれど、彼らが残した音楽は、ヘビメタの手本になるものだった。
彼らのすごいところは、前作の続編のようなアルバムを作らず、常に進化していったところだ。
これはQueenにも共通している。
でも、もう、そろそろリタイヤしてもいい。
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