灰色のピーターパン

作者:石田衣良|文春文庫
池袋ウエストゲートパークの6作目。
4作の中編が収録されているのは1作目から一貫している。
「灰色のピーターパン」は盗撮で金を稼いでいる小学生が不良に絡まれる話。
主人公のマコトが収拾に出向くが、イカレた狂人が出てきて、ややこしくなる。
「野獣とリユニオン」は強盗の被害にあった兄の復讐を目論む妹の話。
だが、強盗犯も実はいじめっ子に脅迫されていたことが判明する。
「駅前無認可ガーデン」は幼児を狙った変質者として疑われる頭の弱い男の話。
「池袋フェニックス計画」は警察官僚の副知事が、池袋の浄化作戦を実行する話。
マコトの周りにいる違法滞在の外国人が駆逐されるが、マコトは密かに復讐を考える。
時代にマッチした面白いテーマを選んでいるので、飽きないシリーズになっている。
「野獣とリユニオン」はお互いが被害者で、許しをテーマにしていて、良かった。
ただ、以前の作品に比べると、少しテンションは低い。

灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫)

灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫)