フィッシュストーリー

作者:伊坂幸太郎新潮文庫
4つの中編が収録された作品。
「動物のエンジン」は夜の動物園で、檻の前で寝ている男が市長の殺人犯だと推理する話。
サクリファイス」は泥棒で探偵でおなじみの黒澤が、仙台の県境にある村にある不思議な風習を暴く話。
「フィッシュストーリー」は売れないバンドが最後に録音した曲が、30年後に小さな奇跡を起こす話。
「ポテチ」はプロ野球選手のマンションに泥棒に入ったカップルの話。
それぞれの話に出てくる人物は飄々としていて、つかみどころがない。
感情を爆発させることもないし、人を喰ったような警句めいたことを言う。
でも、ネガティブな言葉が出ないのはこの作家の特徴だ。
いつも独特な世界観が描かれているのだが、ちょっとマンネリかな。
面白い小説だけど。

フィッシュストーリー (新潮文庫)

フィッシュストーリー (新潮文庫)