ダイイング・アイ

作者:東野圭吾光文社文庫
バーテンダーの雨村慎介は、運転する車で人身事故を起こし、被害者を死亡させた。
その後もバーテンを続けているが、なぜか事故当時の記憶が曖昧になっていた。
そんな慎介は客に襲われ、頭部に重傷を負う。
襲った客は、慎介が事故を起こした被害者の夫だった。
だが、夫は直後に自殺してしまう。
何故襲われたのか、失われた記憶を取り戻すため、慎介は独自に調査を始める。
被害者の夫はマネキンの職人で、事故は2重衝突によるものだった。
慎介は事故を誘発したが、被害者をはねたのは別の車だった。
別の車の運転手を襲わず、何故、慎介は襲われたのか?
記憶が曖昧な慎介に接近してくる謎の美女。
慎介を惑わせる周囲の人々の不穏な行動。
マネキン職人の手記は死んだ妻を蘇らせようとするもので、オカルトじみている。
このミステリ作家には珍しく、ホラーのテイストがあり、結末も後味が悪い。
新鮮味があり、面白いが、もう一度読もうとは思うほどではない。
この作家は、面白い作品が多いのだが、なぜか再読したくなる作品はない。

ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)

ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)