25時のイヴたち

作者:明野照葉実業之日本社文庫
39歳の専業主婦の真梨枝は、不自由ない生活を送っていたが、性交渉に痛みを感じていた。
36歳のキャリアウーマンの理沙は、仲間と会社を立ち上げ、充実していたが、味覚障害になっていた。
二人はインターネット上の女性専用の隠しサイトのコミュニティで出会う。
互いに惹かれるものがあり、真梨枝と理沙は連絡を取り合い、対面することになる。
二人は急速に仲良くなり、隠しサイトであるFMペンタゴンにヤラセがあるのではと話し合う。
異なる名前で登録した二人は、でっち上げの悩みをコミュニティで相談する。
相手を騙すことに暗い喜びを覚えた二人は、実生活でも、身近な人に嫌がらせを始める。
さらにFMペンタゴンの主催者を暴こうとするが、二人には落とし穴が待っていた。
自身に悩みを抱える女性達が、ちょっとしたきっかけで他人に悪意を向けて行く。
二人のやっていることは悪いことなのだが、そう思わせない人物描写は巧みだ。
主催者の謎に迫り、その後の急転直下。面白い作品だった。

25時のイヴたち (実業之日本社文庫)

25時のイヴたち (実業之日本社文庫)