ビター・ブラッド

作者:雫井脩介幻冬舎文庫
佐原夏輝は刑事になり、最初の現場でコンビを組んだのは、実の父親の島村明村だった。
明村は夏輝の少年時代に母と離婚した後、会うことはなかった。
明村はジェントルというニックネームをつけられており、ダンディなスタイルだった。
でも、夏輝には明村の行動が郷ひろみの振り付けのように映り、ギャグにしか見えない。
夏輝は家族を捨てた明村を嫌うが、明村は父として馴れ馴れしく接してくる。
それでも、父の捜査方法を学び、容疑者を逮捕する。
所轄に戻った夏輝だが、直後に明村の所属する捜査一課の課長が繁華街で喉を切り裂かれ、殺害される。
捜査一課は、捜査手法をめぐり、課長と部下たちの対立が続いていた。
夏輝は課長と直前に会っていた女性と知り合い、過去の未解決事件を知る。
さらに課長を殺したのは一課の誰かであることが濃厚となってくる。
独自に事件を追う夏輝は、警察内の不祥事にたどり着く。


親子の確執はギャグのようなテンポだが、テーマはシリアス。
バランスのいいミステリだった。

ビター・ブラッド (幻冬舎文庫)

ビター・ブラッド (幻冬舎文庫)