どんくさい家族

たまには外でラーメンでも食べようと、遅い昼食に出かけた。
東京のラーメン屋は事前に食券を買うスタイルが多い。
先に店に入ったおっさんが食券を買うのに戸惑っていた。
最初に細麺か太麺を選ぶように書かれているのに、ボタンを押さない。
おっさんが店の人を呼ぼうとしたので、「先に麺のタイプを選ぶのですよ」と声をかけた。
「あ、すみません」とおっさんは言い、か細い声で「ママ、麺は太麺、細麺?」と声を出した。
食券を買う前に家族は先に席に座らせていたようだ。そういうところはちゃっかりしている。
おっさんの声はママに届かず、隣にいた子供に「聞いてきて」と走らせた。
ママの傍には子供が数人いた。券売機は1台しかない。
子供はママの麺のタイプは「細麺」と元気に伝えた。
「○○と××は?」とおっさんはまた子供を走らせる。
後ろに人が並んでいることに対して、配慮が全くない。
「後ろに人が並んでんねんから、ちゃっちゃとやってや」と声をかけ、店を出た。
ラーメンは食べることが出来なかったので、家に戻りつけ麺を作った。おいしかった。
でも、イライラした気分は残った。こういう人間が犯罪の導火線になっているのかもしれない。