孤独なき地 K・S・P

作者:香納諒一|徳間文庫
歌舞伎町特別分署の新署長の赴任の朝、容疑者を連れた刑事が銃撃された。
特捜班チーフの沖幹次郎は銃撃戦の末、射殺犯の1人を倒すが、もう一人には逃げられた。
撃たれた刑事は誰かを強請っている気配があった。
さらに新宿を牛耳るチャイニーズマフィアとヤクザの手打ちの場にスナイパーが乱入。
マフィアとヤクザの幹部を殺害する。中国の新興マフィアの仕業と見られた。
沖は新任署長の指示を無視し、チャイニーズマフィアのボスと接触を図る。
スナイパーの姿をつかめないまま、関係者や顔役たちが次々と殺害されていく。

冒頭から激しいアクションがあり、最後までテンポよくストーリーが進んだ。
スナイパーの正体も意外性があった。
面白いハードボイルド作品だが、この作家の作品にしては物足りなさが残った。
何だろう、少し抒情性に欠けているからだろうか。
この作家の描く主人公にしては、影の部分が少なかったように思う。

孤独なき地―K・S・P (徳間文庫)

孤独なき地―K・S・P (徳間文庫)