美丘

作者:石田衣良|角川文庫
恋人と永遠に別れてしまう大学生の独白による小説。
太一は青山通りにある大学に通っていて、男女5人でつるんでいた。
ある日、キャンパスの屋上から飛び降りようとしている美丘を助ける。
他人の恋人に手を出したり、大学内では悪評の高い美丘だったが、太一のグループに加わる。直後に太一はグループの中の麻理と付き合うようになるが、美丘のことが気になっていた。
周りのことは顧みず、奔放にふるまう美丘に太一は惹かれていく。
麻理との関係を解消して、美丘にアプローチする太一だが、彼女から衝撃の告白を受ける。
美丘は治ることのない難病を抱えており、進行が進めば、1年以内に死亡するという。
太一はそれでも美丘の傍にいることを決意する。
二人の幸せな時間は長く続かず、永遠の別れがやってくる。


太一の独白は最初から感傷的で、美丘を失った虚無感がにじみ出ている。
美丘の病気は珍しいものだが、読み始めから読者に覚悟しておけという作者の伏線があざとい。
この作家は自分にとって面白い作品もあるが、同じくらいの数の嫌いな作品もある。
だからいつも読むかどうか迷う。これはあまり好きではない。
それでもこれがテレビドラマで現在放映中なんだな。ようわからん。

美丘 (角川文庫)

美丘 (角川文庫)