夜を守る

作者:石田衣良双葉文庫
アポロこと川瀬繁は大学を卒業後、上野のレンタルビデオ屋でバイトをして生計を立てていた。
アポロは将来に不安を感じながらも、就職をする気にはなれなかった。
夜の暇な時間をもてあましていたが、幼馴染のサモハンとヤクショとともに上野の街をパトロールすることにした。
知的障害の施設にいる「天才」も仲間に加わり、上野で起きる様々な問題を解決していく。
不法投棄された家電をガメる老人。田舎からやってきた美男美女のカップル。
風俗店に嫌がらせをされ、犯人を捜すヤクザ。コンテスト前に失踪したパートナーを探すダンサー。
外国人窃盗団を手引きする日本人。息子を殺された場所で犯人を捜す父親。
トロール後に安い定食屋で盛り上がるガーディアン達は楽しそうだ。
また、夜がふけて、少しずつさびしくなっていく街の様子が好い。
この作家は東京を綺麗に描く。自分は今、東京に住んでいるから、情景がよくわかる。
でも、東京に住んでいなかったら、この作家の作品をどうとらえるのだろうと少し考えたけど、話自体は面白い。
街並みを知っていれば、さらに面白い。少し東京を美化しすぎているように思うのは大阪人の僻みなのかな。

夜を守る (双葉文庫)

夜を守る (双葉文庫)