イッツ・オンリー・ロックンロール

作者:東山彰良光文社文庫
博多に住む34歳のロッカー青木満は、プロの道をあきらめきれずにいた。
昼間はアパートでギターの練習をして、夜はDTPのバイトで生活をしている。
夜勤明けに家に戻る途中、保健所の爆破事件に遭遇する。
犯人の遺留品の中に、満のバンドのCDが紛れ込んでしまい、満のバンドは反逆のカリスマバンドとして紹介される。
自閉症のドラマー、刑務所帰りの40過ぎの禿のベーシストとともに、満は再びバンド活動をスタートする。
かつて出したCDも売れ始め、順風満帆に進み始める。
だが、満は爆破事件の犯人に命を狙われる。
過去のロックミュージシャンのエピソードを入れながら、スピーディな展開は面白かった。
猫や過去に付き合った女と戯れるだらしない日常と、メンバーの死という重い展開のギャップがいい。
ただ、主人公の生き方はロックなのだが、メンバーの死以降は虚無感が多すぎて、あまり共感できなかった。

イッツ・オンリー・ロックンロール (光文社文庫)

イッツ・オンリー・ロックンロール (光文社文庫)