青の懺悔

作者:堂場瞬一PHP文庫
神奈川県警を辞め、探偵事務所を始めた真崎薫を、高校時代の野球部仲間が訪ねてくる。
1人はプロ野球に進み、FAでメジャーに挑戦した結城。もう一人は結城の代理人となった長坂。
結城の子供が誘拐され、二人とも憔悴していた。結城は真崎に身代金の引き渡し役を依頼する。
真崎は単独で誘拐事件を解決するのは無理だと結城を説得するが、結城は警察は信用できないという。
身代金の引き渡しの期限が迫っているので、仕方なく結城は身代金を預かり、誘拐犯の指示に従うことになる。
ところが、巧妙に計画を立てた犯人に真崎は襲撃され、身代金を奪われてしまう。
警察にも誘拐事件は漏れてしまい、真崎の立場は危うくなる。
県警時代の同僚に蔑まれつつ、真崎は傷を負いながらも単独で犯人の捜査を開始する。


青の悔恨」に続く真崎シリーズの第2弾。
高校時代の熱い想い出が回想シーンで語られるが、真崎の知らないところで起きていた陰惨な事件。
そのことがきっかけで、今回の誘拐事件が発生するのだが、ミステリを読む人なら、犯人は中盤でわかる。
そこは少し残念だが、犯人の暗い情念を終盤に知ると、悪くない小説だったと思う。
最終章を「第二の敗北」と名付けたのは、読み終えてから、この作品の主題だったのだと気付いた。
最後の最後に結末を上手くまとめる小説はすっきりする。

青の懺悔 (PHP文庫)

青の懺悔 (PHP文庫)