食堂かたつむり

作者:小川糸|ポプラ文庫
家に帰ると、家財道具も金もなくなり、恋人が失踪していた。
倫子はそのショックで、声を失い、実家に戻り、食堂を始める。
話せないから、筆談でお客とコミュニケーションをとるため、1日一組とした。
倫子の料理は評判を呼び、いろいろな客がやってくる。
客との交流のエピソードは面白いし、料理の描写もいい。
加えて、女性作家ならではの言葉の使い方がきれいだ。
不仲だった母親が病気で倒れ、最後の料理をふるまうところは感動的だ。
でも、女性作家は主人公を不細工な面相を設定しないのは約束事のようなものかな。
面白い小説だったが、もうひとつの作品がホモを扱っていて、気持ちが悪く、読むのを止めた。

食堂かたつむり

食堂かたつむり