冷たい夏、熱い夏

作者:吉村昭新潮文庫
50歳になったばかりの弟が肺がんになった。
当初は楽観視していたが、病状は深刻で、余命1年と医師から宣告される。
弟にはガンの告知はせずに、看病を続けることにした。
激痛にもだえ、泣き言を言い、幻覚を見る弟を見つめる主人公。
弟の病状をリアルに描写し、救いようのない気分になる話だった。
呼吸のできなくなるつらさをこれだけリアルに描いた話は珍しい。
面白いとか、そういうレベルを超えている。人が死ぬということ理解させてくれる作品。
毎日芸術賞受賞作。もう一度、読もうとは思わないが、これは読んでおくべき作品でもある。

冷い夏、熱い夏 (新潮文庫)

冷い夏、熱い夏 (新潮文庫)