貸し込み(上・下)

作者:黒木亮|角川文庫
バブル期に過剰な融資を行い、脳梗塞患者にまで金を貸したとして家族から訴えられた都市銀行
銀行側は退職した行員に責任をなすりつけようとする。
当事者となった右近は、銀行を退職後、ニューヨークの投資銀行に勤めていた。
被害者の担当弁護士からの連絡で、自分の置かれた状況を知り、激しく憤る。
右近は被害者側と面会し、当時の状況を説明し、銀行の腐敗を暴くことに協力する。
銀行側は、右近の登場にうろたえるが、周到に証拠を隠滅し、被害者側と全面対決となる。
右近と弁護士は戦術を話し合うが、原告となった被害者が頼りなく、意見をすぐに変える。
右近は当時の銀行の腐敗を手記にして、雑誌に発表するが、出版元が銀行から訴えられることになる。
右近は野党の代議士を味方につけ、銀行側を揺さぶるが、その代議士にスキャンダルが発覚する。
銀行の汚さと、個人が銀行を訴えることの難しさを描いた小説で、面白かった。
ただ、少し長すぎる。

貸し込み(上) (角川文庫)

貸し込み(上) (角川文庫)