絶望ブランコ

作者:大石圭光文社文庫
サーカスの花形である空中ブランコ。父と母はスターだった。
父と母にあこがれていた姉と弟だったが、母の墜落事故で、家族は離ればなれに。
姉弟は成長し、母親が末期がんとなったことをきっかけに、二人は共同生活を始める。
だが、お互いに誰にも言えない秘密の仕事していた。
姉は盲目の売春婦、弟は電話一本で誰でも殺害を請け負う殺人鬼。
鬼畜のような所業をしているのに、二人の生活の描写は穏やかだ。
むしろ満ち足りているし、昔話を振り返るところはノスタルジックだ。
まあ、表紙の帯を見たときに、近親相姦の匂いがぷんぷんしていたし、結末はお約束通り。
人には言えない性癖や稼業をしているのに、表面上はスタイリッシュな生活をしている。
そんなギャップが新鮮だったが、最近はこの手の作品が多すぎる。
この作品も過去の作品のいくつかをなぞっている。
面白くないわけではないが、そろそろ飽きてきた。

絶望ブランコ (光文社文庫)

絶望ブランコ (光文社文庫)