不正侵入

作者:笹本綾平|光文社文庫
警視庁捜査4課の警部秋川は、旧友の有森が自殺したことに不審を覚える。
直後に有森の妻が失踪し、独自に捜査をするが、検察に阻まれてしまう。
その後、4課からハイテク組織犯罪対策室に異動になり、ネットカジノの捜査を始める。
すると、有森の会社で起こった不正が見え始め、そこに検察と暴力団が結託していることを知る。
有森の妻の失踪に絡んでいるハッカーと出会い、徐々に犯罪の形が見えてくる。
それは、国家権力者による犯罪の隠ぺいと、大がかりな恐喝事件だった。
この作家は国際的なサスペンスでスケールの大きな作品を書いているが、これも面白かった。
ネットの犯罪を辿るスリル、身近に潜む裏切り者、犯罪を暴き正義を守ることに一途な男たち。
今までの作品にハズレはなく、本作も最後まで飽きることなく読めた。
結末は少しほろ苦く、そこが今までの作品と異なるが、これはこれで良い。

不正侵入 (光文社文庫)

不正侵入 (光文社文庫)