怪談実話 コメカミ草紙 串刺し

作者:平山夢明メディアファクトリー
この怪談作家は、心霊ホラーとサイコパスの恐怖の両方を書けるのが素晴らしい。
ただ、最近少し多作になっていて、新鮮味が薄れると共に怖さにも耐性がついてきた。
この作品も悪くはないし、本作はホラーとサイコの話が混じっているのは新しい試みだ。
それでも印象に残った話が少なかったのは残念。
この本が最初に手に取った1冊なら、間違いなくファンになるだろう。
でも、もうすでに彼の作品は30作近く読んでいる。
もっと怖さとえぐさを求めたくなるのは、平山作品のジャンキーになっているからだ。
少し作品発表を抑えてくれた方がファンとしてはありがたい。
平山夢明の怪談本は無条件で買ってしまう時期は過ぎてしまったのかもしれない。
「東京伝説」と「怖い本」に専念してくれた方がいい。
このテイストなら過去に出た「鳥肌口碑」の方がおススメ。

怪談実話 顳顬(こめかみ)草紙 串刺し (幽BOOKS 怪談実話)

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