金のゆりかご

作者:北川歩実集英社文庫
タクシー運転手の野上雄貴は、GCS幼児教育センターから入社要請を受ける。
GCS幼児教育センターは、生まれた子供を天才にするための教育を施していた。
かつて、野上もGCSの前身である近松式幼児英才塾で教育を受けていた。
だが、歳をとるにつれ、能力は衰え、大学にも合格できなかった。
また、提唱者である近松教授は実の父であり、見捨てられたことを憎んでいた。
そんな自分に幹部として入社を依頼してきたことに不信感を持つ。
だが、かつての恋人であった梨佳から、子供を守ってほしいという言われ、入社する。
GCSでは「金のゆりかご」という装置を使い、教育を施していた。
9年前に子供たちが相次いで錯乱するという事態が起き、社会問題になる寸前だった。
それを密かに処理をしたが、後遺症のようなものが出るのではと危惧されていた。
野上が調べていくうちに、錯乱した子供が、別の子どもにすり替わっていることを突き止める。
そんな中、梨佳が失踪し、GCSの秘密を探っていたライターが殺害される。
読んでいくにしたがい、謎がどんどん出てくるので、面白、結末もある意味衝撃的だった。
でも、登場人物のその後が尻切れトンボだったので、そこは大いに不満が残った。

金のゆりかご (集英社文庫)

金のゆりかご (集英社文庫)