どがでもバンドやらいでか!

作者:丁田政二郎|ピュアフル文庫
舞台は80年代の鳥取倉吉市。携帯電話もインターネットもない時代。
高校生の宮田春哉は、バンドのメンバーを探すために奔走していた。
春哉はギタリストで、カシオペアコピーバンドを組んでいたが、仲間に裏切られてしまう。
一人になった春哉だが、文化祭で皆の前で演奏するという夢が捨てきれなかった。
ようやく集まったメンバーたちと音合わせをするが、息はなかなか合わなかった。
焦るメンバーの前に、アドバイザーが現れ、バンドの演奏は向上していく。
素朴な高校生がステップアップしていくストーリーで、ノスタルジックな雰囲気に満ちている。
ジャイブ小説大賞という聞いたこともない賞の優秀賞受賞作。
自分もバンドを組んでいたので、音を合わせていくシーンには非常に共感を覚えた。
ストーリーは平凡な部類に入るが、構成がうまく、自分は面白く読んだ。
それよりも、ネットも携帯もなかった時代を知らない世代が本作をどう感じるかに興味がある。

どがでもバンドやらいでか! (ピュアフル文庫)

どがでもバンドやらいでか! (ピュアフル文庫)