蛇衆

作者:矢野隆|集英社
第21回小説すばる新人賞受賞作。
室町時代末期の九州、朽縄をリーダーとした傭兵集団を描いた歴史小説
朽縄以下、6人の遣い手の活躍が活き活きと描かれている。戦闘シーンも格好いい。
朽縄の活躍の場が少なく、仲間たちが滅んでいく様は、読み応えはあった。
ただ、中盤から、謀略に巻き込まれ、終盤に至るストーリー展開は疑問に思った。
のぼうの城」でも感じたことだが、漫画の脚本でも良いのではと思った。
この作家の今後には期待したいが、軽くなっていく歴史小説の風潮には危機感がある。
これはこれで面白いし、白土三平の漫画を劇的にしたような描写は良い。


蛇衆

蛇衆