血烙

作者:堂場瞬一|中公文庫
刑事・鳴沢了シリーズの7作目で、今回はアメリカが舞台。
了は警視庁から研修のため、ニューヨークに派遣される。
そこには恋人の優美と、彼女の息子の勇樹が暮らしていた。
優美は弁護士を目指すために大学に通い、勇樹は売れっ子の子役俳優になっていた。
3人でアメリカで生活するのも悪くないと考えた矢先に、勇樹が何者かに誘拐される。
犯人はチャイニーズ・マフィアのトミー・ワンと判明。
優美の兄で、刑事の七海とともに勇樹の捜索を始める。
ニューヨークから、アトランタ、マイアミと犯人の追跡は続く。
トミー・ワンの動機、勇樹の安否も不明で、謎は深まっていく。
ストーリーは面白かったが、主人公の了の魅力はだんだんと無くなってきたように思う。
アメリカで凶悪犯を追うのに、銃も持たずに丸腰という頑固さは周りに迷惑をかけるだけだ。
だが、アトランタやマイアミで相棒となる黒人刑事や、ラテン系の私立探偵の造詣には魅力があった。

血烙―刑事・鳴沢了 (中公文庫)

血烙―刑事・鳴沢了 (中公文庫)