九段の桜

7年前、東京に移り住んだときに、このあたりが桜の名所だと知った。
引っ越してから1週間後に桜が満開になり、平日の休日に桜を見に行った。
だが、あまりにも人が多いのでうんざりした。桜は静かにしんみりと眺めたい。
それなのに、大勢の人が押し寄せ、押し出されるように進むので、感傷に浸る間もなかった。
夜桜なら大丈夫だろうと、終電の無くなった時間に酒を飲みながら眺めていた。
すると、警官の職務質問。何でこんな時間まで警官がいるのか。
引っ越した初年度で凝りたので、それからは近くの桜を見に行くのを止めた。
幸い、ベランダから千鳥ヶ淵の桜が見えるので、今は遠目に見て満足している。


東京の人の花見に対する熱心さにも驚いた。
花見にも誘われて、初年度は参加したが、地べたに座り、安っぽい食べ物で酒を飲むのは嫌だった。
なので、以降は花見には参加していない。


今日はよく晴れたので、千鳥ヶ淵靖国神社の桜が満開になった週末、人が押し寄せてきた。
桜の見えない自宅マンションのすぐそばの路上で、酔っぱらって騒いでいるグループもたくさん。
たぶん、東京の人は桜を見たいのではなく、酒を飲む口実にしているように思う。
ただ、この騒いでいる連中もゴミを放置したまま引き揚げることはない。
ちゃんと片付けてから引き揚げているようだ。このあたりのマナーの良さには感心。
でも、地元にも桜は咲くだろうから、そこで見ればいいのに。