消された一家

作者:豊田正義|新潮文庫
「殺しあう家族」の余韻を残したまま、実際に起きた事件のルポを読んだ。
弁舌巧みに、人に取り入り、緒方家の人々をマンションに監禁した主犯の松永。
松永と知り合い、家族を次々と殺害していったと言われる緒方純子。
そして、唯一生き残った少女。裁判を傍聴した筆者が、事件を綴っていく。
事件は平成8年から10年の2年4ヶ月間で、7人が殺害されたという。
死体は解体処分され、証拠も残らない状況だったが、事件の4年後、少女が脱走に成功し、発覚。
新堂の作品では、子供の犠牲者はいなかったが、本家の事件では2人が殺害されている。
事件の真相は、緒方純子と、生存した少女から語られているが、松永は否認している。
改めてひどすぎる事件だと思う。
事件の概要をてっとり早く知りたい人は、Wikipedia北九州監禁殺人事件で。

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)