ジウⅠ

作者：誉田哲也｜中公文庫

• 文庫本裏書き

都内の住宅地で人質籠城事件が発生した。
所轄署や機動隊とともに警視庁捜査一課特殊犯捜査係が出動し、門倉美咲巡査は差し入れ役として犯人のもとへ向かうが。
籠城事件と未解決の児童誘拐事件を結ぶ少年、その背後で蠢動する巨大な事件とは？
ハイスピード、未曾有のスケールで描く新・警察小説。

• 感想

特殊犯捜査係は、人質を取って立て篭もる犯人を説得したり、強行突入で解決する役目を担っている。
女性メンバーは美咲と基子の二人だが、性格は対照的だった。
説得役の美咲と、男顔負けの強行突入力を誇る基子。
だが、ある籠城事件をきっかけに、二人は他部署に異動になってしまう。
美咲は所轄署へ、基子は特殊急襲部隊ＳＡＴへ。
二人の女性巡査の活躍を描く作品だが、タイトルはジウと不可解。
これは、実は犯人と思われる人物の名前なのだが、彼の生い立ちが不可解で、かつ残酷な仕打ちを受けている。
ⅠということはⅡもあるわけで、書店ではⅢまでの文庫本が平積みになっている。
この作品では女性巡査二人の活躍が面白かったが、ジウのこの後の行動が気になる。
というわけで、次作以降を読まないといけないと思わせる内容だったし、構成も上手い。
ただし、現時点では「ストロベリーナイト」の方が面白いと思う。

ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)