アンチエイジング

作者:新堂冬樹ポプラ社
40歳を直前に朝海は、アンチエイジングの手術を受けることを決意した。
自分が老いていくのを恐れ、周りの人間に借金を頼むが、誰も金を貸してくれない。
朝海は、夫に内緒で、街金で金を借り、手術を受けることにした。
一方、夫の孝昭も、頭髪が薄くなり、腹が出て、老いていくことを気にしていた。
もう一度青春を取り戻したいと、ホルモン療法を検討する孝昭だが、踏ん切りがつかない。
手術を受けた朝海は、借金取りから執拗に追われ、孝昭は美人局に引っ掛かる。
互いのトラブルがもとで、家族が崩壊に向かう様をコミカルだが残酷に描いている。
相変わらず読みやすいが、毒気は弱く、刺激はあまり感じなかった。
この作家の作品を初めて読むのなら、これも悪くないのだけど。
芸能プロダクションを立ち上げたのにもかかわらず、コンスタントに作品を発表している。
最近の作品は小出し感が否めない。少し、腰を据えて大作に取り組んでほしいと思う。

アンチエイジング

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