少女

作者:湊かなえ早川書房
「このミステリーがすごい」で2008年度の1位になった「告白」に続く作品。
これも各所にどんでん返しがあり、読み応えがあった。
高校生の由紀と敦子は幼馴染で親友だったが、最近は互いを少し疎み気味だった。
そんなとき転校生の紫織から、親友が自殺した様子を目にしたという告白を聞く。
ふたりは人の死ぬ瞬間に異様に興味を示し、誰かが死ぬのを見たいと思う。
夏休みを利用し、由紀は病院へボランティアに行き、難病の少年と出会う。
敦子は老人ホームの手伝いに行き、死にそうな老人を探す。
二人の思惑とは裏腹に、ストーリーは一つの方向に向かう。
結末は「告白」と同様にブラックだが、展開はマイルドで、ふたりはごく普通の少女たちだ。
面白い作品が2作続いた。今後も期待できる作家だ。

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)