バスジャック

作者:三崎亜記集英社文庫

  • 文庫本裏書き

今、「バスジャック」がブームである―。
バスジャックが娯楽として認知されていて、様式美を備えるようになった不条理な社会を描く表題作。
回覧板で知らされた謎の設備「二階扉」を設置しようと奮闘する「二階扉をつけてください」、
大切な存在との別れを抒情豊かに描く「送りの夏」など、作者の才能を証明する七つの物語。
この短編集の中に、きっとあなたの人生を変える一遍があります。

  • 感想

悪い意味ではなく、この作家は発想が変だと思う。
だれも考え付かないような展開で、独自の世界が広がっていく。
でも、それが合うかどうかは人それぞれだろう。
自分は、丘から双眼鏡で過去の自分を見つめる「しあわせな光」を気にいった。
それから、大事な人と最後の時を過ごす「送りの夏」もよかった。
「二階扉をつけてください」は業者の行動がコミカルだが、結末のブラックさの落差がいい。
ただ、他の作品はいま一つピンとこなかった。

バスジャック (集英社文庫)

バスジャック (集英社文庫)