ストロベリーナイト

作者:誉田哲也光文社文庫

  • 文庫本裏書き

溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された!
警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。
捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?
クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。
人気シリーズ、待望の文庫化始動!

  • 感想

姫川玲子は大卒の一般採用だが、30前に警部補に昇進し、部下が4人いた。
美貌で、カンの鋭い姫川には、高校生時代にレイプされたという暗い過去があった。
そのことを忘れるように、刑事の仕事に打ち込み、自分の居場所を見つけていた。
そんな彼女が直面した事件は、ビニールシートに包まれた死体が見つかったところから始まる。
直後に同様の死体が見つかるが、いずれも激しく切り刻まれた跡があり、激しい暴行がうかがわれた。
捜査を進め、ネット上で密かに話題になっている「殺人ショー」が実際に行われているのではと考える。


ストーリー、人物描写を含めて、これは非常に面白い小説だった。たぶん今年のイチオシになるくらい。
連続殺人であるが、被害者同士の接点がなく、地道な調査が続くが、飽きさせない。
合間に綴られる犯人の殺害の様子は非常に残虐で、ホラーのテイストもある。
真相に近づき、犯人に迫る展開にはスピード感があり、加えて意外な犯人。
姫川以外にも、勝俣、井岡、北見、大塚などのクセのある刑事達の描写も面白い。
嫌な奴と思う刑事が実はいい人だったという伏線のはり方は見事だと思う。
他の作品もぜひ読もう。(昔読んだ「アクセス」はイマイチだったけど。)

ストロベリーナイト (光文社文庫)

ストロベリーナイト (光文社文庫)